腰が痛くならないキャット&カウポーズ
座って過ごす時間が長〜い現代人。腰痛がある人は、骨盤が前に傾いて腰が反っているケースが多いです。ずっと座っているので、ヒップフレクサー(股関節屈筋群)、内転筋群、脊柱起立筋などなどが凝り固まっていて、その逆に臀筋や腹部の深層筋群がきちんと使われずじまい。そういった筋肉のアンバランスさから、骨盤が前に引っ張られ、それにつれられて腰が反ってしまって痛みが生じるパターンです。すごく略して言うと、ですが。
さて、腰痛持ちの方は、「腰が痛いなら、簡単にできるヨガのキャット&カウポーズがをしてみては?」などと言われたことがあるのではないでしょうか。
キャットポーズ
手と膝を床につけた体勢から、息を吐いてお腹を引っ込めて背筋を丸くするのがキャットポーズ。前に傾いていた骨盤が真っ直ぐな位置に自然と戻り、固くなっていた脊柱起立筋がストレッチされます。おへそのあたりから緊張させてお腹を引っ込ませるのでインナーマッスルも鍛えられます。なので腰に優しいポーズなのは理解できますね。
カウポーズ
その逆に、息を吸いながらお腹を下に落として自然なアーチを描き、背中の上部をそらせて頭を持ち上げるというカウポーズ。
しかし、腰がすでに反っている現代人にとって
ー>凝り固まった背中の筋肉をコントロールして上部だけ反らせるなんて無理!
ー>さらに腰を反らせてしまい腰痛が悪化
という悲劇が起こってしまうことがあるのです。
ということで、私は腰痛持ちの人にはキャット&ニュートラルポーズまたはキャット&ライトカウポーズを推奨しています。もしくはキャットポーズのみでも。
ニュートラルポーズは、キャットポーズ前のもとの体勢に戻るだけ。しばらく背中を真っ直ぐにキープするだけでも、インナーマッスルは鍛えられるし、ストレッチにもなるし、腰のポジションはだいぶ楽になります。この状態でしばらくいて、またキャットポーズに戻るを数回繰り返すと気持ちいいです。
ライトカウポーズは、ニュートラルポーズから肩甲骨あたりを意識しながら視線を上げるか、ちょこっと頭を上げるだけ。
少し首を上向きにすることで、開きっぱなしだった肩甲骨が背中の中心に閉じるように近づいてくれればラッキー。その付近がだいぶ固くなっているんですよね。ただし、あまり頭部を上げすぎると首まで痛めちゃうこともあります。このポーズでは全てライトに行いたいので、肩甲骨よ動け!と念じながら軽く上を向く程度にとどめましょう。そしてキャットポーズとともに繰り返す。
あ、画像ではちゃんとできていませんが(猿手気味なので、スミマセン)、ニュートラルポーズにしてもライトカウポーズにしても、腕は軽く伸ばしてください。
痛くなるなら、やらないほうがいい(当たり前ですが)
腰によかれと思ってトライしたポーズで、さらに腰を痛めるなんてイヤですよね。無理せずに体と対話しながら、まずは絶対に痛くならないポーズでやってみることが大事だと思います。
少しずつ少しずつ背中の筋肉を上手に動かせるようになって標準のカウポーズに近づいていくのもよし、自分にはライトカウポーズあるいはニュートラルなポーズでいいと思えばそれでもよし。もしくはキャットポーズのみを極めてもよし。逆に腰が反っていなくて丸まっていることで腰痛があるという人は、キャットポーズをニュートラルポーズに代えればいいし。
みんなそれぞれ自分の体に合わせて自由なヨガを楽しみましょ。